斬!斬!斬!というゲームが面白い。
ただし、友達と遊んでいるので、それが前提となってしまうけども。
格闘ゲームって難しすぎて実に、実にやってられない気持ちになるのです。
ストリートファイター4が盛り上がった時に、対戦するためのハードルが凄すぎて、仕事から帰って、セビ滅の練習をするとか、本当にやってられない、という気持ちになった。
格闘ゲーム大好き勢の方々は、このやってられない感が本気で理解できないみたいなので、溝が深すぎる。
練習して上手くなるのがいいんじゃん、って言う訳なんだけど、いや、他のゲームは、「すぐに楽しめる」けど、「楽しめるまで長い上に、楽しさは保証されてない」の差は大きいでしょ。練習時間をとらない限り、楽しむところまで絶対にいけない、というのは、それなら他のゲームやるわ、ってなりますよ。
楽しむためにゲームを買って、毎日3時間練習して、1か月経ったら楽しめるようになるよって言われても、スマホでお手軽に無料で楽しめるゲームもある時代にキツすぎる。
そんな訳で、私は格闘ゲームは見る専をやっておりました。
だがこの斬!斬!斬! 全くの初心者でも、完全に「対戦」が成立する。まるで格ゲー界のスプラトゥーンや!(誇大広告)
1800円で安かったから、まあ年末だしクソゲーやろうぜ、くらいの気持ちで買ったのだが、対戦をすると、普通に買ったり負けたりできて面白さに目覚めてしまったのです。
このゲームの良いところ
1 操作がシンプル
このゲームの操作は、□が横斬り △が縦斬り ○が強攻撃 ×が弾き
×で□と△を弾けて、○は弾けない。
以上。
必殺技もコンボも0フレ目押しも存在しない!
初めて5分で完全な操作が出来る!
格闘ゲームのスーパーストレスなところは、「やりたい操作ができない」事で、有名なプレイヤーでさえ「押したって!」「やってない!」とか叫ばざるを得ないところにある。そういうやっかいなコマンド入力が存在しない!
テレビゲームの気持ちよさの根源は、コントローラーで画面の中を操作できるところにあると思うから、思い通りに動けないゲームなんて絶望的なストレスだよ。
格闘ゲームのサイトで紹介される「初心者向け」って実際には全然初心者向けじゃない気がするし。
幾らボタン連打でコンボが出ても、結局は各種複雑な操作を要求されて、その操作ができないと土俵にたてないから。
このゲームは、マジで思い通りに動く。少なくても従来のゲームと比べれば、手足のように動かせる。
2 一撃で死ぬ
体力ゲージ?
んなもんねえよ。
刃物で切り合っているので、基本的には一撃で死ぬ。わーい、男らしい!
だからコンボもスーパーアーツゲージも必要ない。
そして、互いに格闘ゲームに挫折した友達同士でがちゃがちゃやって、たとえうまい下手があっても、瞬きしたら死んでるから、勝ったり負けたりできる。
極端な実力差がつきにくい。
自分は真空波動コマンドすら満足に出せない人間なのに、仲間内では格闘ゲーム強い人になってしまっており、ストⅤをやったら友達相手に無敗になってしまっていた。
なんでかというと、素人はめくりの飛び蹴りに対応できないのと、投げ擦りに対応できないからです。
中足波動をメインに戦えば、それだけで素人を完封できる。
そういう世界があるんだという事を、格闘ゲーム勢には分かってほしい。
めくりの飛び蹴りと、投げだけで何とかなってしまうレベルが、世界にはちゃんとあって、むしろ世間の大半はそうなんだと思う。だからストⅤは浅いし初心者向け、とか言ってしまうと、恐ろしい数の人間を取りこぼしてしまうし、そういう人々がメーカーには見えてない気がする。
必殺技コマンド自体が凄まじい障壁なのに、出せるようになったら嬉しいでしょ、で押し通すのは、もちろんそういうゲームがあってもいいんだけど、本当の意味で初心者向けのゲームではない。
だからこの、一撃当たったら死ぬバランスは、実力差がつきにくくて、仲間内では凄い遊べる。
3 ちゃんと格闘ゲームしてる
操作はワンボタン、決着は一撃、浅すぎるのでは? って思うかもしれないけど、かえってむき出しの「格闘ゲーム」になっているところがあって、ああ、格闘ゲーム勢は、こういう事を楽しんでいたんだ、という発見があった。
プロゲーマーのウメハラ氏が、結局は格闘ゲームの本質の部分は、ハイスピードじゃんけんみたいなもので、システムをたくさんつける事で、そこへ至るまでの道を長くしている、みたいな事を言っていましたが、このゲームはむしろむき出しです。
飛び道具などないので、格闘ゲーム勢の言う「地上戦」「足払い戦」みたいなのがむき出しになっている。たぶんカメラ屋さん(有名ゲーマー)がやったら強そうなゲーム。
ただその中でも、友達の内に色んな個性が出てきて、それが楽しい。
やけに弾きと対空が上手い友達や、とにかくトリッキーにやりたい友達、真正面の地上戦しかできない自分、などなど、段々と個性が出てくる。
そして変な読み合いが発生し、ここで□を押すと弾かれるから、弾きを読んで何もしない→弾きを読んで何もしない読みの連打→さらにそれ読みの・・・
みたいな読み合いがぐるぐる発生してるのを見て感動しました。
ああ、格闘ゲーム勢はこれをやってたんだ。って。
自分は自分で、ダッシュするとかなりの確率で弾かれるので、ダッシュ後にジャンプ攻撃したら、相手が攻撃してたらジャンプで空かせるし、弾きをしててもジャンプで一泊置くから、タイミングがずれてこっちの攻撃があたるんでは? みたいな安定行動を模索したりして。
ああ、格闘ゲームやってるな、って思った。
今まで、全く格闘ゲームできなかった素人同士が、対策したり、読み合いしたりしているのを見て、何か感動してしまったのです。
これか!これだったのか!という発見。
技を置く、技がスカったところに差し込む、飛ぶ、とか、そういう格闘ゲームの基本みたいなところがむき出しで楽しめるのが、良いところだと思う。
最初、とにかくダッシュ攻撃が強い時期があって、それに対抗して、ダッシュみてから弾きを行うようになったり、技を置いてダッシュを潰したり、飛んですかせて攻撃する、みたいな対策をするようになったり………。
相手に勝てなくなった時に、ちょっと考えて対策すると勝てるようになったりする、そういう対策と、対策の被せ合いみたいな、プロゲーマーたちが言っていた事を、自分達がやっている、という感動があった。
まあ仲間内でわいわいやってたら何でも楽しいでしょ、って言うのは分かるけど、格闘ゲームは仲間内でわいわいやるには、余りにもハードルが高かった。
そんな何か月も何週間も遊べるゲームではないと思うけど、初めて「格闘ゲームに触れた」という気持ちになれた。
そんな感じで、格闘ゲームやりたいけど、ずっと挫折だった、という人は、友達と一緒にやる分にはおすすめだと思った。安いし。