判例の検索

判例を検索する時、

裁判所 | 裁判例情報

このHPを使う事になると思われる。

たとえば、名誉棄損、などで検索して過去の判例を見る事が出来る。(掲載されているものだけ)

今現在、名誉棄損の定義の元となっている判決を、ここから見る事も出来る。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/744/057744_hanrei.pdf

なんか普通に面白そうな事件とかもあるよね。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/160/081160_hanrei.pdf

うーん、興味深い事件もけっこうあるよね。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/432/082432_hanrei.pdf

これは、暴力団を賛美するような内容を含む書籍を、コンビニから撤去できないか警察がお願いしたことに関する裁判で、なんだか最近そういう感じの議論がありましたよね。市長がエロ漫画をどうたらこうたら、みたいな。

 引用すると、

「本件要請文書の内容は,前提事実(2)ウのとおり,県警が,コンビニ各社に対し,暴力団排除及び青少年の健全育成等の観点から,暴力団関係書籍等をコンビニの店頭から撤去することが検討されるべきであると考えていることを伝えるとともに,これを踏まえた適切な措置を講じるように求めるものとなっている。そして,撤去が検討されるべきであるとしているものの,コンビニ各社が取るべき措置をこれに限定しているものとはいえず,むしろ,コンビニ各社が適切な措置を取らなかった場合に何らかの不利益を被ることを示唆する記載などはないことからすれば,そもそも本件要請に応じて何らかの措置を取るか否かも含め,コンビニ各社の自主的な判断に委ねたものであるといえる。」

法律的には、コンビニのエロ本撤去の「お願い」は同じ理屈で問題ないと思われる。

「そして,証拠(甲11,乙9)及び弁論の全趣旨によれば,本件要請後,本件リストに掲載された雑誌等ではないものの,暴力団を題材とするコミックを販売している福岡県内のコンビニが存在すること,県警は,本件要請後,コンビニ各社の取った措置の内容や本件要請に従ってコンビニから暴力団関係書籍等が撤去されたか否かについて調査したり,暴力団関係書籍等を置いているコンビニに対する再度の要請や何らかの不利益な取扱い等をしていないことが認められる。」

「前提事実(3)のとおり,本件要請を受けたコンビニ各社のうち,暴力団関係書籍等を取り扱っていた会社は,いずれもその販売中止及び店頭からの撤去を行っている。しかし,証拠(乙1から乙7の13まで)及び弁論の全趣旨によれば,福岡県下には多数の暴力団が存在し,暴力団組員による一般市民に対する犯罪や発砲事件も多いことから,平成21年10月19日に暴力団の排除の推進等を目的とする福岡県暴力団排除条例
制定され,官民一体となって暴力団を排除する取り組みがされていることが認められる。このような社会的風潮の下,本件要請を受けたコンビニ各社が自主的に上記措置を取ることは何ら不自然であるとはいえず,これをもって,本件要請がコンビニ各社に対し暴力団関係書籍等の撤去を事実上強制するものであったことを根拠づける事実であると評価することはできず,他にこのような事実を認めるに十分な証拠はない。以上のとおりの本件要請文書の内容及び本件要請の態様等からすれば,本件要請は,県警が行政警察活動の一環としてコンビニ各社に対し暴力団関係書籍等の取扱いに関する自主的な措置を取ることを求めるものにすぎず,その撤去を強制するものということはできない。そして,前提事実(2)ウ及びエのとおりの本件リストの作成及び配布も,本件要請に付随する事実行為にすぎないというべきである。」

すぐに表現の自由がどうこう、と言いたがる人がいるけど、裁判所と同じく、総合勘案してほしいものです。

「そうすると,本件要請は,その直接の相手方であるコンビニ各社に対してすら本件コミック等の撤去を強制するものではないのであるから,その直接の相手方ではなく,本件コミックの原作者にすぎない原告の執筆活動,その作品の公表及び販売等を規制するものということは到底できない。」

「そこで,憲法の保障する精神的自由の一つとしての表現の自由の重要性に鑑み,本件要請並びに本件リストの作成及び配布が原告の人格的利益を侵害する違法なものかどうかを判断するに当たっては,被侵害利益の内容及び性格,本件要請並びに本件リストの作成及び配布の目的の正当性,手段の相当性等を吟味した上で,総合的に判断すべきである。」

なんだっけなあ、市長の撤去がどうたらこうたら、みたいな話あったよな。

 

千葉市長熊谷氏、わざわざミニストップと成人雑誌販売中止の件について共同記者会見までしておいて「圧力」はなかったと主張→異論が続出 - Togetter

 

これは、さっきの判例の判断に、自分も準拠します。

懸命な皆さまは、裁判所よりも知的な判断ができると信じておられるかも知れませんが、自分はそうではないので。ではでは