また難しい事言ってるなあ。
これもまた、単純に白黒つきそうにはない話です。
ただ、問いかけと答えのバランスからいくと、やや陰謀論っぽくなっている気はします。
「しかし、このままサイトへの批判が続いた場合、誰が一番得をするのでしょうか ?」
「漫画村を糾弾して誰が一番得をするのでしょうか?」
この記事の締めはこうです。
「漫画村は「よくある海賊サイト」というのが、僕の印象です。もちろん、それが過小評価という場合もあるかもしれません。だけど、ネガティブキャンペーンが行われる時、その陰には目的を持った人たちがいます。感情的になればなる程、その目的に利用されてしまうのではないでしょうか。」
これだと、出版社の陰謀だって話になってしまう気がしなくはないです。
「違法性のあるサービスが問題になればなる程、合法的なサービスの整備が求められ、今ではApple musicやGoogle Playなどの定額聴き放題サービスがそれに取って代わっています。それでミュージシャンはCDの時代より儲かるようになったのかな?」
この問いかけはしかし、儲かるようにならなかったとしても、違法サービスを放置した場合、もっと貧乏になっていた可能性がある訳で、それを食い止めた可能性が一応、ある訳です。
違法ダウンロードは音楽の売上を減少させる~カナダの最新調査結果
http://seminar.econ.keio.ac.jp/ishibashi/pdf/12/otsuka.pdf
一応、音楽の違法アップロードは売上に影響しない説を唱える人も多いが、実際はまあ、実証が難しい、議論のあるところだと思うので、定説として気安く使えるレベルではないのではないか、という疑念は一応、あります。
ネットではまるで定説のように、音楽の違法アップロードは売上に影響を与えないという説が流布されて、恐らく研究ないし統計があるものと思われますが、そうではないという研究ないし統計もあり、両論併記、というところではないかと疑っている訳です。
論文が査読を通っても、それが真とは限らない訳で、そういう研究が一個出たとしても、定説とはならないのです。
だからまあ、佐藤さんの説に100%は頷けないです。
ブックオフと出版業界の戦いについても、完全に佐藤さんは出版社を悪として書いていますが、これも掘り下げたら、双方言い分がありそうなところに思えます。
この主張は、そういう考え方もある、としか言えない、と私は思います。
別に間違っているとまでは言わないものの、ブックオフと出版社の戦いの経緯と帰着は、佐藤先生の主張をそのまま鵜呑みには出来ないところに思います。
というか、なんでこんなに出版社を憎んでるんだ。まあ、色々あったんでしょうけども。
1、ブックオフは業界の敵だった。
これはまあ、実際ありえるから、どうなんだろうか。
2、韓国の漫画文化は新古書店のせいで打撃を受けた。
洗脳ビデオだってののしってますけど、実体を見ないとなんとも。
3、ブックオフがあっても新刊売上微増
売上の微増には、色んな影響があるから、ブックオフがどうこう、と単純化できるか不明。
「さて、漫画家と一緒に戦ったはずの出版社は、今ではブックオフの株主です。今、流行りのピッコマやLINEマンガは韓国出身企業の運営です。漫画家からすれば「あのキャンペーンは何だったんだろう?」と疑問に思うところです。」
これの経緯も、本当にそんなに出版社が悪みたいな話なのか、分からない。
そう、基本、分からないことだらけなので、調べる時間を取る気が余り起きないのですが(論点が多すぎる)、佐藤さんの意見もまあ、あるのかもしれない、という感じでしょうか。
ただ、違法アップロード者をやすやすと批判はしない。今行われているのはネガティブキャンペーンだ、という主張に関しては、そういう考え方もあるかもしれないが、違法行為を行う業者を批判するのは別に構わないのではないか、と言うのが私の考えです。
違法行為を、業種として行い、それが批判を受けない社会というのは、やはりちょっと違うのではないか。ネガティブキャンペーンも何も、余りにも大手を振って違法行為をする業者を見逃すのは、法の精神に反するのではないか。
個人がうっかりとかではなく、「業として行っている」訳ですから、しかもネットで検索すれば1秒で出てくる。余りにも大手を振って行われる違法行為は、著作権法を破壊してしまっている気はします。
まあ、ではでは